STAGE 参加団体の芝居を知る

忠臣蔵は家族愛の物語だ

遊戯空間/篠本賢一
劇団紹介:1988年旗揚げ。ベケット、イヨネスコ、ジュネらの戯曲、現代詩との融合、近代古典まで、新旧の独創性ある文体をもとに新たな舞台空間を創造する。2012年浄瑠璃の大序から討ち入りまでを一気に語る試み「全段通しリーディング仮名手本忠臣蔵」を初演。
 
 

毎年暮れになると、テレビ等で目にすることが多くなる忠臣蔵。吉良上野介が殺される話よね、
赤穂浪士の討ち入りで、あ、なんとなく知ってる知って…る?
まず、仮名手本忠臣蔵というのは、もともとは文楽の演目。
元禄十四年(1701年)、赤穂藩主・浅野内匠頭が、江戸城中で吉良上野介に斬りかかった罪で切腹となり、
お家取り潰しとなった、いわゆる赤穂事件をもとに創られた人気文楽が、歌舞伎の演目として大ヒットしたもの。
お上の規制に配慮して、時代を太平記の時代に移し、役名も変えてある。

この作品、実際最初から最後までやったらまるまる二日かかるそうで、
通し狂言と謳った公演でさえ、カットされるシーンが山盛りある…。
「それがかなり原作の魅力を損なってしまっているんです」と演出の篠本賢一。
例えば、大星由良之助(大石内蔵助)の話は有名だが、
彼に対抗してもう一人加古川本蔵というメインのキャラクターがいる。
この人は、塩谷判官(内匠頭)が高師直(吉良)を討つのを止めてしまった人で、
それ故に、判官は屈辱を晴らすこともならず、様々な悲劇も始まるわけで、本蔵はその責めを負って生きている。
その娘の小浪は、由良之助の息子の力弥の許嫁で…。
拙い説明で申し訳ないが、この話、ワイドショー的にも大事件だったことがよくわかる。
人物と事件が複雑に絡み合って、見どころが満載なのだ。そりゃ、二日かかります。
「作者が書きたかったのは、敵討ちのカタルシスではなくて、そこに至るまでの、家族や恋人、
人と人との繋がりや出会いを宇宙的に描く面白さなんだと思います」
それを今回はリーディングで3時間で一挙上演?
「はい。僕らはこれを現代劇としてやっているつもりなんです。
落語にね、芝居噺というジャンルがあって。簡単な背景を立てて、歌舞伎の演目を語ったりするんです。
江戸の庶民たちはね、この高座を観てお芝居の雰囲気を楽しんだなんてこともあったんですよ。
その現代版じゃないかな」
じゃあ、古典苦手で…という人も全然敷居高く感じなくていいですね?
「もちろんです。それと古典の言葉はね、
聞いているとだんだんわかってきちゃうんですね。
それはなぜなのかというと、我々は日本人だからですよ(笑)」

 

text by 遊戯空間
遊戯空間 全段通し仮名手本忠臣蔵
日時1.18(木)18:00
1.19(金)13:00/18:00
1.20(土)14:00
1.21(日)14:00
1.22(月)14:00
※開場は開演の30分前
開催場所木馬亭
「赤穂事件」の劇化決定版『仮名手本忠臣蔵』を遊戯空間では2012年から所作や型のない「読むドラマ」として上演してきました。全段通しで2時間45分というスピーディーな展開に「歌舞伎よりもわかりやすい」「はじめて物語の全貌が理解できた」「歌舞伎を鑑賞する前にこれを見たらいい」など、多くの好評を頂いてまいりましたが、2017年の「演じる」版を経て、再び木馬亭で「読む」版が復活します。乞うご期待!

RELATION REPORT 関連する記事のご紹介

PAGE TOP
FOLLOW US
Twitter
Facebook